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「八乙女伝説」
八乙女伝説
由良海岸に立つ美しい2人の乙女像。船でしか見られない神話の洞窟。この地域に言い伝えられている神秘のお話しを紹介します。

(大山の昔話)

昔、大山に幸一と言う男がいました。
妻は、よしと言い、娘が一人いて、名は、ひばりでした。

幸一の仕事は、屋根ふきで、むずかしい仕事もこなす真面目なな職人でした。年中高い所で仕事をしているせいか、カラスと仲良しで、あたりの人が不思議に思うほど、カラスのことを知っており、思いやっていました。

ある日、妻がひょっとした病気がこじれ、夫とひばりを残して亡くなってしまいました。幸一は、やっと二つになったばかりの子供を家におくこともならず、困り果てておりました。

すると、会った事もない女の人が、ひょっこり幸一の家を訪ねてきました。幸一の身の上話に大変同情し、自分のお乳をひばりに飲ませ、「私が、この子を育てたいと思います。私の家まで、この子を連れてきてくれませんか。」

幸一は、言われるままひばりをおぶって女の後ろについていきました。女は、由良の岩屋まで歩いて行きました。岩屋の中は、きちんとしており、子供を寝かせる用意も出来ておりました。幸一もすすめられ、とうとうその岩屋で暮らすことになりました。八乙女伝説

女は、朝早く起き出して、一日の食事を作り、ひばりにたっぷりお乳を飲ませ、一緒に家を出ました。幸一は屋根ふき仕事、女は魚売りをして、ほそぼそと仲良く暮らしておりました。

ある日、幸一は、いつものように起きたのですが、女はまだ寝ていました。心配して様子を見ると、女の身体はカラスになっていたのでした。幸一は、そのまま知らないふりをして、家を出ました。

夕方になって、幸一は何事もなかったように岩屋へ帰ると、女は、「今朝、われを忘れた見苦しい正体を見せてしまいました。今までのように、あなたがたとここに住むわけにはいきません。」

しかし、幸一は、「私は、なんとも思っていません。ひばりの為にも、ここにとどまってください。」

「私は、もとは、三本足のカラスです。そのため、他のカラスと一緒に、森に住む事ができませんでした。神様に、皆と同じ身体にして下さいと願ったら、人間に姿を変えて、5年間人の子を育てあげたら、2本足にしてやろう、とおっしゃるのです。それで、あなたの娘さんを育てる決心をしたのです。それなのに、あと一年というときに、気のゆるみからこんなことになってしまいました。
  しかし、神様はこんなこともおっしゃいました。他に、三本足のカラスが、1羽増えて2羽になれば、3本足もなおせる、と。」女は、そう言い、名残惜しげに出て行きました。

また、幸一は娘と2人のさびしいくらしに戻りました。何年か経って、ひばりは15のかわいい娘になりました。三瀬や由良の同じ年頃の友達7人と仲良くなり、葉山の草原で歌ったり踊ったりしていました。

ある日、幸一は夢で神様と会いました。

「お前は、あの三本足のカラスの女を忘れられないのであろう。もう一度一緒に暮らしたいのであれば、お前も3本足のカラスになればよい。その気持ちはあるか。」

夢から覚めた幸一は、早速神様に、3本足のカラスにしてもらうよう願いました。こうして、幸一は3本足のカラスになりました。

その年、遠い都におります蜂子皇子が庄内においでになることになり、幸一は、羽黒の神様のお告げで、皇子の舟のお出迎えに越後の弥彦の沖まで出向きました。幸一は立派に役目を果たし、葉山の草原では、8人の乙女が歌をうたい、舞を踊り、皇子をお迎えしました。それから先の羽黒山までは、幸一カラスの夫婦が、はばたきを揃えて道案内をしたということです。

八乙女伝説3本足のカラスは、今もなお羽黒山の大きなお堂の入り口、高いハリにまつられております。

娘のひばりは、他の7人の乙女と同じように、よいお婿さんを迎え、幸せに暮らしたということです。

それから、三瀬や由良には、美しい女の子が多く生まれるようになったと言われております。

(八乙女像の由来)八乙女像

1,400年余りの昔、推古元年 いつはの里・由良浜にお供を連れた高貴なお方が上陸されました。その人こそ、信仰のお山・出羽三山を開かれた御開祖・蜂子皇子(第32代崇竣天皇皇子)でありました。

そもそも蜂子皇子は、父帝の後を継ぐお方でしたが、不幸な父帝の崩御に意を決し、都を出られ、船上の人となり、八人の乙女に招かれて、上陸されたのでした。

2人の乙女像は、美鳳姫(みおうひめ)と恵姫(えひめ)。八人の乙女の中でもひときわ美しく、仲の良い姉妹と伝えられていることから、この像が建てられました。

この像は、「海の羽黒」のシンボルとしてだけでなく、この世の平和と幸せを願う”祈りの像”として、建立されたものでもあるのです。

 

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